8月16日(金)…34週0日
点滴の量を減らしてからお腹の張りは10分間隔から7分間隔にまで短くなったのですが、
副作用が軽くなったことで楽になって「よし、まだしばらくは我慢できる」と思えるようになっていました。
いつもの朝のNSTの計測結果を見て、午後から診察をする事を伝えられました。
赤ちゃんの大きさを測ってもらえるのかなぁ…とワクワクしたのを覚えています。
午後3時頃、病室の隣にある診察室で待っていると、主治医の先生とは違う女性の先生がやってきました。
内診が始まって、先生が一言
「う〜〜ん、子宮口がちょっと開いてきてるね」
減らした点滴量では もう お腹の張りを抑えきれてない様でした。
「間隔が10分切った時点で、それは陣痛だからね。」
え?そうなんだ?
先生は私の顔を覗き込みながら続けてこう言いました。
「よく耐えてるなぁ!!こんなに辛いの、私なら耐えられないよ!!
ね?…もう切ろう。」
え?…私が困惑していると先生は矢継ぎ早に話しつづけます。
「今日で何週?」
私:「え…と、今日で34週に入りました」
「十分!!ここまで育ったら大丈夫や!辛いやろ?しんどいやろ?」
振り返りながら「ねぇ?ぽかさんは、十分に頑張ったよね??」
と、その場にいた看護婦さんに問い掛けると みんなが頷きました(^-^;
「どうしてもまだ頑張るって言い張るんならしょうがないけど、もう34週で気が済んだでしょう??」
意を決して「…はい。」と返事をすると
「今日は最後、いつご飯たべた?」
「確か1時過ぎだったと思います。」
「…
よっしゃ決まり!!はい、
1時間後に手術します!準備して!!」
えぇぇ〜〜〜〜!!!?
内診台で足をあげたままの状態で、掛け声と共に準備が始まりました。
エコー用のジェルを使って剃毛をされている間、
私:「せ、先生…
決断早いんですね…?(^-^;」
「え?あぁ、私、物事
スパッと決める
タチやねん。ウダウダ考えないねん!」
私:「そうですかー…(^-^;」
右手首には名前が書かれたプラスチック製のブレスレットがはめられました。
いつ生まれてもおかしくなかった為、数日前に手術に必要な血液検査と心電図は既に済ませていました。
慌しい雰囲気の中、手術同意書に震える指で署名と拇印も済ませ、手術用の赤いチェックのワンピースを着せられた後、
部屋までの十数メートルを両脇を看護婦さんに支えられながら歩いて戻りました。
あまりの急展開に私自身呆然としていました。走り回る看護婦さんたちの様子に同室の方も騒然として
「どうしたの?」と聞くので「これから手術なんです」と答えると驚いていました。(笑)
なんせ、この中で一番予定日が遅いのが私だったのだから(^-^;
病室に戻り、50日間お世話になりつづけた張り止めの点滴も外されました。
ベッドの枕もとの上部に手術前の「絶食」札がつけられ、なにやら手術用の点滴が始まりました。
中身は薬も何も入って無いんだけど、いざとなったらココから薬を入れる為必要だそうです。
準備も揃い、「あとはご家族待ちです」という事で慌しかった雰囲気が一転、静かな時間が流れはじめました。
私はというと、まだ実感が湧かなくて ほっとするような、怖いような変な気分でした。
だって、予定帝王切開の人と違って 内容の説明やその後の生活など何一つ説明を受けないままだったのですから。
ベッドに寝たまま、心配だったのはぱたやんの事。
数日前からウィスル性の腸炎にかかってしまっていて、お見舞いに来るのもとても辛そうだったのです。
今日も、手続きの為に母に預けっぱなしだったウチの保険証を、今から母が自宅まで届けに行こうとしていた矢先だったのです。
午前中にはのん気にも、保険証が入った封筒にメモ帳をつかったお見舞い手紙を入れ、
コカコーラの点数シールを貼り付けて「これあげる〜」と落書きしていたのです。
まさか「切腹」が待ち受けてるとは思いもせずに。(笑)
病院の方が3時ごろに連絡したはずだけど、最低でも1時間半位かかってしまうココまで無事にたどり着けるのかな…。
そうこうしてるうちに両親が到着しました。しばらく話していてもまだ実感が湧きません。
5時前だったでしょうか…真打・ぱたやんが駆けつけてくれました。
「ぽか、大丈夫?」大きなマスクをしたままのぱたやんを見て、
それは、
こっちの台詞…(苦笑)
どうやら、タクシーを飛ばし、家からは高速で飛ばしたそう(^-^;スピードを聞いたところ恐ろしや…本当に事故らなくって何よりです。
その時には、手術時間は当初の予定よりも1つずれていました。
やっぱり家族が来てからじゃないと始めないんだな・・・と安心しました。
↓ぱたやんに記念に撮ってもらった手術直前の様子です。腹囲は数日前の時点で93cmでした。
前の手術が終わったという事で 5:35 とうとう手術室に移動することになりました。
ストレッチャ-で移動するのだと思っていたのですが、病室のベッドの位置を上げると そのまま動き始めました。
運ばれる中、顔を良く知っている助産婦さんが
「手術の時、取り出した赤ちゃんのお世話を担当します。一緒に頑張りましょうね。」と優しく声を掛けてくれました。
エレベーターホールまでの間、看護婦さんたちが手を振って見送ってくれています。
姿が見えなくなる直前に、ぱたやんが覗き込んで
「今までは頑張らなくてもいいって言ってたけれど、今から頑張れ!」
とエールを送ってくれました!頷いてぎゅっと握手をした後、手を振りながら私はエレベーターに運ばれていきました。
エレベーターを下りると、目の前に「中央手術部」とかかれた大きなガラスの自動扉が広がりました。
「あぁ…とうとう手術が始まるんだなぁ…」
ここまできてやっと焦りにも似た緊張感が出てきたのでした。